2026.09.29
2025年12月23日に京都大学で実施した留学生向け防災ワークショップの活動報告が、Japan Journal of Global Health に掲載されました。著者は、当分野の山下正准教授、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学の河野文子特定講師、京都大学防災研究所の中野元太准教授です。
災害時、留学生は言語や文化、情報へのアクセスの違いによって、避難や支援に関する情報を得にくい場合があります。そこで本ワークショップでは、日本の防災知識を学ぶとともに、参加者それぞれの災害経験や備えを共有し、互いに学ぶことを目指しました。
当日は留学生と、グループでの交流を支援する日本人学生が参加しました。約2時間のプログラムでは、①「災害」から連想するものを描いて共有する活動、②出身国・地域での災害経験や備えについての意見交換、③日本の災害と基本的な備えに関するミニ講義、④大規模地震が起きた場合の行動を考えるグループ討議を行いました。
討議では、災害情報を得る際の言語の壁、避難所を利用できるかどうかについての不安、地域でのつながりの不足などが挙げられました。また、信頼できる情報源や避難方法を事前に確認し、身近な支援のつながりをつくることの大切さについて話し合いました。
終了後の匿名アンケートからは、全員が「日本で災害が起きたときの自分の行動を考えることができた」「ワークショップに満足した」と回答しました。自由記述では、参加者同士で経験を共有したことが、最も多く印象に残った活動として挙げられました。
本論文は、ワークショップの実施内容と参加者の感想を報告したものです。今回得られた声を、今後の多文化に配慮した防災教育の改善につなげていきます。
ご参加くださった留学生の皆さん、準備や当日の進行にご協力くださった学生の皆さんに、心より感謝申し上げます。
掲載論文
Yamashita T, Kohno A, Nakano G. A multicultural disaster preparedness workshop for international students at Kyoto University. Japan Journal of Global Health. 2026;41(3):117–125.
https://doi.org/10.11197/jaih.41.117
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaih/41/3/41_117/_article/-char/ja